老老介護の末“102歳母殺害”71歳娘に執行猶予付きの有罪判決【スーパーJチャンネル】(2025年11月17日)

 老老介護の末、102歳の母親を殺害した罪に問われた娘に言い渡されたのは、懲役3年、執行猶予5年の判決でした。

■71歳娘に執行猶予付き判決

裁判長
「被告人を懲役3年の刑に処する」

 懲役3年、執行猶予5年、そして保護観察の付いた判決でした。

 その瞬間、小峰陽子被告(71)は「はい、分かりました」とじっと前を見て淡々と答えました。

 102歳の母親を殺害した罪に問われている娘の小峰被告。

弁護人
「トイレは一日何回くらい?」
被告
「10分おきくらいです」

 夜中に10分に1度のトイレ。小峰被告は認知症を患っていた母親を1人で介護していました。

被告
「世の中に自分一人しかいなくて、助けてもらう人が思いつかなかった。自分一人でこれをどうにかしないと、と思い詰めて殺すしかないと思ってしまった」

 検察側は「母親による暴言や暴力はなく、介護疲れによる事案とは一線を画する」として懲役8年を求刑。

 弁護側は「長期の介護で疲弊したことによる衝動的な犯行」として懲役3年、執行猶予5年が相当としていました。

 17日の判決で裁判長は「被告人は相当の時間、ひもで被害者の首を絞めつけ、さらに包丁で突き刺していることから強固な殺意が認められ、犯行は悪質である」とした一方、「被告人は12年間にわたり高齢である被害者を介護してきたものであり、負担は決して軽いものではなかったとみるべきである。10分に1度の頻度でトイレ介助を求められるなど急激に介護の負担が高まり、被告人の対応能力を超えたことで起きた事件だ」、12年にわたる介護疲れによる事案としました。

 これまでの裁判で小峰被告は「後悔というのはないんです、あの時はああするしかなかったので後悔はありません」と話していました。

 元夫との間に2人の子どもがいる小峰被告。被告の息子は裁判の中で、社会復帰後の生活について、「アパートを借りて、2人で暮らそうという話をしました。楽しみとは言っていないが、生活を想像していると話していた」と話しています。

 老老介護の末の殺人で懲役3年、執行猶予5年、保護観察の付いた判決に、大澤弁護士は…。

大澤孝征弁護士
「大変で大変でこれ以上(介護)できないから自分のために殺害に及んだとなると、厳しい目を向けざるを得ない。どちらに殺害の主力を置かれているか。(執行猶予)5年間でちょっと甘いかなと思ったんで保護観察を付けた。それだけ裁判所は判断に苦慮した事件だと思う。苦労して10年にわたって介護してきたことを評価すべきではないかと、この評価になったのかな」
[テレ朝NEWS] https://news.tv-asahi.co.jp

20 Comments

  1. 「正義は勝つ」で済ませてはいけない
    今のままでは第2第3の同じ事件が起きる
    政府はサボっていないであんらくし制度についてまじめに議論すべき

  2. 重度知的障害の子をもつ親は12年どころじゃない一生面倒みるんだよ。施設が受け入れてくれないからな。責任は国にあるだろ。家族におしつけるな

  3. 納得の判決だと思いますが、
    12年もの間自分の時間を全て捧げてきた事の重さ大変さは介護を少しでもした事のある人間ならばみんな知っていると思います。
    この娘さんの罪ってなんだろうと考えてもわからない。
    むしろ彼女がふとした時に罪悪感を抱くかもしれないし、12年もの時間を費やした親を殺した事が自分に跳ね返ってきて苦しむ事になるのではないかと思ってしまいます。これが親殺しの重罪だというのならば日本はもう終わりだと思っていました。

  4. 執行猶予がついてよかったです。
    むしろこの方が介護される側の状態なのに10年以上も頑張ってこられて本当に偉いと思います。
    これからは養生してゆったりと暮らしてほしいです。

  5. この女性の辛さは
    はかりきれないものだと思います
    行政の法律じゃ何じゃは論外

    私は
    この女性の味方になりたいです

    死ぬ事も許されず
    生きる事もままならい
    翻弄されて
    頑張ってきた
    この女性を

  6. こうした事件のニュースを見るたびに、重度の介護が必要な高齢者に対して、医療や行政の支援が十分ではなく、結果的に家族の負担ばかりが増えてしまう現状に疑問を感じます。介護する側の限界にもっと目を向け、支援体制を強化していくことが必要ではないでしょうか。

  7. 安楽もそうだが気軽に介護を受けられる制度支援もほしいよなぁ
    年金にも税金取るぐらいなんだからその取ったぶん介護士に充分な支援してとかして欲しいわ
    これからも老人は増えるし数十年後にはそうなる身としては

  8. 特養の研修いった時にオムツ替えるだけでワシを誰だと思ってるんだとか言い始めるじいちゃんいて悲しくなった
    ひどい話ですが言動と行動が伴ってない状態になってまで生きる必要はあるのかと真に思います
    ロボットが介護する時代になるまで他者の犠牲になる生き方に境界を設けるべきと思います

  9. 71歳の3年を奪うって鬼のような裁判官
    介護の苦労を一切しらないくせに

    一線を画すとまで言い切ってるバカ検察もそうだけど

  10. 介護で家にいると本当に世界から隔絶された感覚になるのだそうです 他人から見れば介護を一人で頑張ってるくらいにしか思われないことも多く、より孤立感があったのでしょうね…散々言われていますが、家族のレスパイトケア拡充が求められます とはいえ介護の現場も人手は足りずサービス利用も金銭的に難しかったり、本人が行きたがらなかったりで利用が難しいケースも多々あり…
    暴言や暴力がないと介護疲れが起きないということはないです 怪我しないように様々気を配って精一杯やってきてるんですよ 眠れないことがどんなにストレスになるかは想像するまでもないことでしょう